フェレットの魅力って「ここがいい!」と、断定しては伝え難いものです。
独特の匂いがしたり、暑さにとても弱かったり、特定の病気になりやすかったり・・・。
それでも彼らとの暮らしは、とても素敵で楽しいものです!
ここでは『フェレットってどんな生き物なの?』といった基本的なことをまとめてみました。
(※古くなっている情報もあると思いますので、あくまで参考としてください)
 フェレットって?
 性質の話
 食事の話
 体臭の話
 ノーマルフェレットの話
 温度の話
 病気の話
フェレットは家でペットとして飼えるように改良された小動物です。
イタチ科に属する肉食性の哺乳小動物ですが、野生動物ではなく
『ヨーロッパケナガイタチから家畜化されたことが起源』という説が有力です。
古くからヨーロッパで飼育され、現在は世界中で飼われています。(一部の国では害獣だったりしますが・・・涙)
同じイタチ科の仲間には他に、イタチ・カワウソ・アナグマなどがいます。
【生物学的特徴】
頭胴長: 雄約40cm、 雌約35cm
体重: 雄1.2〜2.5kg、 雌0.5〜1.5kg
寿命: 平均6〜10年
性成熟: 8〜12ヶ月
発情期: 3〜8月(約120日間)
排卵: 交尾排卵(交尾後30〜40時間)
妊娠期間: 約42日
産子数: 平均8(2〜17)頭
離乳: 6〜8週
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フェレットは好奇心旺盛&とても遊び好きな動物で
犬ほどではありませんが、なかなか高い知能を持ち人間にも慣れやすいです。
狭いところに入るのが大好きで、頭さえ通れば殆どの場合は身体も通ります。
また、ものを集める習性があるので、部屋で自由にさせていると
気に入ったおもちゃやエサを、自分の気に入った場所(隠れ家のような場所)に
どんどん運んでいってしまいます。

フェレットは夜行性と言われていますが、日中も活動するので
飼い主の活動時間に合わせることのできる動物です。
ただし1日の活動時間はそれほど長くなく、寝て起きてを繰り返し
1日の半分くらいは寝て過ごします。
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フェレットの消費カロリーは、体重1kgあたり1日200〜300カロリーと言われており
完全な肉食動物で、動物性タンパク質を短時間(3〜4時間)で消化してしまう大変短い腸を持っています。
そのため、高タンパク・高脂肪で低繊維質な食事を与えることが良いとされます。
(食物繊維を消化吸収するためには腸が長くないと駄目)
最近では様々なフェレットフードが売られていますので
袋に記載されている原材料や成分を見比べてみると良いと思います。

【一般的なフード選びの目安】
   高タンパク質  34〜36%以上
   高脂肪  20〜22%以上
   低繊維質  2〜3%以下
    ※タンパク、脂肪共に主原料は動物由来のものが良いでしょう。

【+α の目安】
   主原料の上位3種類に、なるべく穀類が含まれていないもの
   不自然に着色されているもの、消費期限があまりに長いものは要注意。
    ※人間に使用不可な防腐剤や酸化防止剤、添加剤が山ほど用いられている恐れがあります。
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ペットとしてのフェレットは、ほとんどが去勢、避妊、臭腺除去が行われており
マーシャルからは『スーパーフェレット』パスバレーからは『ニューターフェレット』
という名前でペットショップで売られていることがあります。
これらのフェレットは臭腺除去されているため、体臭はそれほどきつくありません(が臭います)
ちなみに我が家の去勢済みフェレット♂は、香ばしい感じ(?)の匂いがします。
♀を飼っている人からは「麝香(ジャコウ)の香がする」という話もよく聞きます。

対して手術していないフェレットを、自然体という意味で『ノーマルフェレット』と呼びますが
こちらのフェレットは手術済みのフェレットに比べ、体臭がきつめですし
『臭腺が残っている=いたちっ屁(臭液)』もされるということになります。
臭液は緑色でかなり強烈なニオイをしており、駄目な人は耐えられない臭いのようです。
(私の場合は、慣れてしまえば結構平気でした^^)
※体臭の強弱は個体差があります
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オスは体の大きさ、骨格の太さなどが去勢済みと比べかなり違い、大きな仔に育ちます。
逆にメスはノーマルの方が成長しても小柄なことが多いようです。
また、本来のホルモン状態であるノーマル方が、健康で長生きするという話もあります。

ノーマルフェレットは生殖機能が残っているので、当然ですが発情期を迎えます。
オスは発情期になると、睾丸が陰嚢に降りてきて、気が荒くなる、体臭がきつくなる
マーキングをする、マウンティングをする、体重が落ちる等の現象が見られます。
メスは発情期に交尾させず放っておくと、エストロゲン過剰症で死に至ることがあります。

発情期にオス同士を同ケージで飼育すると、激しい争いをすることがありますし
ノーマルのメスと同ゲージで飼育することは、無計画な繁殖に繋がってしまいます。
もちろんこの時期は、去勢済みフェレットとの同居も難しくなります。
(我が家では、同居は完全に無理でした)
これらのことを踏まえると、1匹ずつ飼育できる環境がないと
ノーマル個体をお迎えするのは厳しいかもしれません。
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フェレットを飼うに当たり【夏は24時間冷房を稼動できないのなら飼うべきではない】と、よく目にします。
「ペットに冷房なんて贅沢だ、必要ない」と言う方も多くいますが、ちょっとまってください。

 フェレットには汗腺がまったくありません。そのため『汗をかいて熱を逃がす』ということが不可能です。
 フェレットにとっての適温は一般的に15度〜22度、湿度40〜65%と言われており
   彼らの体感温度は実気温+10度と言われています。

高温多湿な日本の夏の室温30度は、彼らにとって40度になるということで
人間にとっても、決して過ごしやすい気温ではありません。
また汗をかける人間ならば、扇風機などの風にあたることで気化熱により体温を下げられますが
汗をかけないフェレットは、いくら風にあたっても体温を下げることはできません。
彼らにとって気温の高いところで生活を続けるということは、体力の著しい消耗、体調不良
最悪の場合は寿命を縮めることに繋がります。決して甘やかしているわけではないんですよ。
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フェレットには大変かかりやすい病気や、気をつけなければならない病気があります。
飼い主さんが予防できるものはきちんと予防してあげましょう。
予防できないものでも早期発見により、上手く付き合っていくことのできる病気もあるので
日頃から食事量、排泄物のチェックや定期的な体重測定で、彼らの健康状態を良く観察してあげましょう。

フェレットの病気で有名なものは「副腎疾患」「インスリノーマ」「リンパ肉腫」があります。
また、フェレットは犬と共通の病気に感染します。
特に「ジステンパー」「フィラリア」は発症するとほぼ100%死亡してしまうと言われていますが
共に予防することが出来る病気ですので、予防接種や予防薬をなるべく受たほうが良いでしょう。
さらに「インフルエンザ」は人からフェレットに感染しますので、冬期は飼い主さんの健康管理に注意しましょう。
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